耳鼻咽喉科クリニックを開院し、2週間がたちました。
手術、入院診療が中心だった勤務医時代には経験しなかった症例と多く遭遇し、日々葛藤しております。
例えば、なかなか鼻みずがとまらない多くのお子さんが当院を受診されています。
特に保育園や幼稚園などに通っていると、菌をあげて、もらってのキャッチボールをして、延々と鼻みずが続いてしまうことも珍しくありません。
これに、アレルギー性鼻炎などの体質的な要因も加わり、事態を複雑にしています。
鼻みずが続くと、鼻呼吸ができずに眠りが浅くなったり、鼻がのどにおりて咳がでたり、副鼻腔炎(蓄膿)になって鼻や目の周囲に痛みが出現してしまいますから、何とかして鼻みずは止めてあげたいと思っています。
これまで内服や点鼻薬などだけではなかなか止まらなかったケースでも、、頻回に通院していただき、しっかりと、丁寧に鼻そうじして、その後に吸入治療をすることで鼻みずは止めることができます。
特に、黄色い鼻みずは「膿(うみ)」のようなものですから、これが鼻に残っていては薬を投与しても効くはずがありませんので、鼻そうじはとても大切です。
残念ながら完全に止まらない場合、例えばベースに重症のアレルギー性鼻炎があるケースなどでも、しっかりと鼻そうじ、吸入治療をすることで鼻みずをかなり減らすことはできます。
なかなか治らない鼻みずを本気で止めたいなら、理想をいえば毎日でも鼻そうじ、吸入治療にきていただきたいぐらいです。
でも、小さなお子さんを連れて、しかもご兄弟がおられる場合などは、私も子育て世代で通院の大変さがよく解かりますから、さすがに「毎日受診してください」とは言いづらいです。
そうはいっても中途半端な治療をしていると、またすぐに鼻みずがぶり返してしまいますし、難しいところですよね・・・。
なかなか止まらない鼻みず対する「現在の」私の考え。
まずはしっかりと投薬し、鼻そうじと吸入治療をこまめに繰り返して、一度その子にとってのいちばん良い状態を一度作り出します。
良い状態になったら、薬や通院の量、回数を減らしていき、その良い状態をできるだけ負担の少ない形で維持することを目指していきます。
逆に言えば、良い状態が作り出せるまでは、お薬もしっかりと使いますし、頻回の通院をお願いするかもしれませんが、どうかご容赦ください。
もちろん、たびたびの通院が難しい場合でも、お子さん、保護者に無理のない範囲で精一杯の治療をさせていただきますので、診察時にご遠慮なくご相談ください。
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