滲出性中耳炎

滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)とは

  • 滲出性中耳炎とは、鼓膜の内側、すなわち中耳に滲出液といわれる液体がたまる病気です。
  • 急性中耳炎と違い、耳の痛みや発熱はありません
  • 軽度から中等度の難聴になることが多いですが、周りの人が気づかないこともしばしばです。
  • 滲出性中耳炎には多くのお子さんがかかりますが、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、その大部分は成長とともに自然に治っていきます
  • 滲出性中耳炎の後遺症として難聴が残ってしまうことは少ないといわれていますが、ときに言語やコミュニケーションを学習する際の障害になることがあるともいわれています。滲出性中耳炎が長期化したり、反復したりする場合には、特にきちんと治療することが必要です。

滲出性中耳炎の原因

トンネルに入ったり、エレベーターに乗った時、耳がつまる感じがします。このとき唾液を飲むと、鼻の奥と耳とをつなぐ「耳管」といわれる管が耳の換気を行い、耳のつまり感は改善します。

滲出性中耳炎は、この「耳管」の機能が悪化することにより生じます。

耳管の機能が悪化する原因

  1. 急性中耳炎により耳の粘膜が腫れて、耳管が狭くなる
  2. 咽頭扁桃(アデノイド)肥大や上咽頭腫瘍(のどのできもの)のため、耳管が圧迫される
  3. アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎など鼻の病気により、鼻の粘膜が腫れて耳管が狭くなる
  4. 耳管機能の未成熟(小児では珍しくないが、成長とともに改善することが多い)
  5. 加齢による機能低下

滲出性中耳炎の治療

小児の滲出性中耳炎は基本的には治療ガイドラインに沿って対応しますが、患者さんによって状態もいろいろですし、ケースバイケースで相談しながら治療方針を決めていく必要があるでしょう。

下に代表的な治療と私の考えを記します。

  1.  経過観察・・・初めて滲出性中耳炎が見つかり、他に症状がなければ、自然に改善することを期待し、最初の3か月程度は経過観察でよいでしょう。(2週~4週に一度は通院していただき、鼓膜をチェックします。)
  2. 滲出性中耳炎そのものに対する薬物治療・・・補助的に用いますが、特効薬はありません。
  3. 鼻の病気に対する薬物治療・・・鼻の調子が悪いと滲出性中耳炎も治りにくいですし、鼻の菌が耳管を通って耳に入り込むと急性中耳炎に移行しやすいので、しっかり治療すべきです。
  4. 耳管通気・・・鼻から空気を送り、耳管を通して耳に空気を入れる治療です。その効果は一時的ですので、大人には行うことがありますが、お子様にはあまり意味がないと考えています。 
  5. 鼓膜切開・・・滲出性中耳炎の状態が悪く、聞こえに影響が出ていたり、出そうな場合にはやってみる価値は十分あります。切開を繰り返すうちに滲出性中耳炎が治ることもあります。
  6. 鼓膜チューブ留置術・・・重症の滲出性中耳炎の場合には、当面の聴力改善を得るため、また鼓膜が癒着して難聴が残ることを避けるため、鼓膜チューブ留置術をお勧めすることがあります。何度も鼓膜切開をしなくてすみますが、問題点(チューブ抜去後に鼓膜穿孔が残ることがある、潜水の制限など)もご理解いただく必要があります。

皆さまに愛される、親しみやすいクリニックを目指して頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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