顔面神経麻痺

顔面神経麻痺の症状

  • おでこにしわが寄らない、目がつぶれない、ウインクできない、鼻翼をぴくぴく動かせない、食べ物が口からこぼれる、笑うと口がゆがむ、口笛が吹けない、などです。
  • 涙が減少したり、味覚が低下することがあります。

顔面神経麻痺の原因

顔面神経麻痺を生じる代表的な疾患は、「特発性末梢性顔面神経麻痺」と、「ラムゼイハント症候群」の二つです。

特発性末梢性顔面神経麻痺(ベル麻痺)

  • 顔面神経麻痺全体の6070%をしめます。
  • 別名「ベル麻痺」と呼ばれます。 
  • 原因不明ですが、大部分が単純ヘルペスウイルス(口唇ヘルペスの原因となるウイルス)の再活性化といわれています。
  • 突然、片側の顔面神経が麻痺します。
  • 経過は良好で、7割が無治療でも治癒し、治療をすれば89割が治癒するといわれています。

ラムゼイハント (Ramsay Hunt) 症候群

  • 顔面神経麻痺全体の1015%をしめます。
  • ハント(Hunt)症候群と呼ぶことが多いです。
  • 水痘‐帯状疱疹ウイルス(水ぼうそうや帯状疱疹の原因となるウイルス)の再活性化が原因といわれています。
  • ①顔面神経麻痺②耳介周囲の痛みを伴う水疱③内耳障害(感音難聴、めまい)が3主徴ですが、すべてが出現するとは限りません。
  • ベル麻痺に比べ経過は不良で、自然治癒は3割程度治療した場合は56が治癒するといわれています。

顔面神経麻痺になる理由

  • 顔面神経は脳からでて、頭がい骨の狭くて硬いトンネルを通り、顔の筋肉にたどり着きます。
  • ウイルスが再活性化すると、顔面神経が炎症を起こします。
  • 炎症がおきると神経は腫れますが、顔面神経は骨のトンネルを通っているので自由に腫れることができず、締め付けられます。強く締め付けられた結果、虚血状態になって神経が障害されます。

顔面神経麻痺の治療

治療開始は早いほどよく、発症して1週間以内、遅くても2週間以内には開始すべきです。症状が出現したらできるだけ早く受診してください。

  • 治療はステロイド(強力な抗炎症作用)が中心です。
  • 抗ウイルス薬ビタミンB12(神経の再生作用)、ATP製剤(代謝賦活剤)などを併用します。  
  • 麻痺が完成するまでに1週間程度かかります。したがって、発症直後に治療開始した場合、治療しているにもかかわらず麻痺が進行することがあります。
  • 眼が閉じにくくなり、涙も減るため、乾燥を防ぐため点眼薬や眼軟膏を使用することがあります。
  • 通常、ステロイドは最初に大量投与し、1~2週間ほどかけて投与量を徐々に減らしていきます。これをステロイド漸減(ぜんげん)投与といいます。
  • 当院では内服を中心に治療を行います。
  • 大きな病院と治療内容はあまり変わらないと思いますが、この病気は必ず治る保障がありません。あとで後悔しないためさらに詳しい検査や点滴治療をご希望の場合は大きい病院あての紹介状をつくりますので、遠慮なくお申し出ください。
  • ステロイドには血糖値を上げる副作用があるため、糖尿病のある方は厳密に血糖値を調整しながら治療する必要がありますから、大きな病院を紹介させていただきます。

皆さまに愛される、親しみやすいクリニックを目指して頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

〒700-0086

岡山県岡山市北区津島西坂2-1-7

駐車場16台分あり

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診察時間

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